
住宅を購入しようと思っても、住宅購入にはどのような選択肢があり、それぞれにどんなメリットとデメリットがあるのか分からなければ、上手に比較ができません。
今回は、注文住宅のメリットとデメリット、セミオーダーや建売住宅との違いについて解説します。
注文住宅・セミオーダー住宅・建売住宅、それぞれの違い
注文住宅とセミオーダー住宅、建売住宅の違いについては、まずは住宅を建てる際に、どこに依頼して建てるかによって決まります。
今回は日本で最も認知度が高く、多くの方が購入されているハウスメーカーを基準にして説明します。
ハウスメーカーは、注文住宅かセミオーダー住宅か
一般的には、住宅購入は一生に一回です。そのため、TVCMや新聞折り込みチラシでよく見られるハウスメーカーの展示場に足を運ぶことが多いかと思います。
イメージとしては車を買うのと同じような感覚で、住宅展示場へ行き、それぞれのメーカーの特徴を把握し、パンフレットを持ち帰り、どのタイプがいいかを家族で話合う。日本では、このような流れからの住宅購入が大きな割合を占めています。
ハウスメーカーで家を建てることは、注文住宅の分類に入ると思われている方が多いかと思います。しかし、住宅販売の業界では注文住宅とは完全オーダーの住宅と位置付けるのことが多く、ハウスメーカーはセミオーダー住宅の分類に入ります。
セミオーダーに分類されるといっても、ハウスメーカーの住宅については、間取りはある程度自由に決めることができます。また、内装のクロスや、照明、カーテン等もある程度自由に選ぶことができます。それぞれの選択肢は、無数に提示されるはずです。 ただし、カタログに記載されている無数の中からの選択ではありますが、それはあくまでもメーカーによって決められた枠の中からの選択で建物が作られていきます。内装や外装を決める段階で「一部だけコンクリート打放しにしたい」と要求しても、原則として対応は不可能です。
完全オーダーの注文住宅
セミオーダー住宅のハウスメーカーは、間取りも自由に計画でき、省エネ性能も非常に高く、アフターフォローも充実しています。初めて住宅を購入するならば、申し分ない選択肢かもしれません。
しかし、もっとこだわりを持って住宅の計画を考えたい方には、別の方法もあります。
それが完全オーダーの注文住宅です。建築設計事務所、もしくは設計部を有する工務店は一から全てオーダーで作る建築を担当してくれます。
建築設計事務所や設計部を有する工務店は、ハウスメーカーと違いTVCMなどの広告は行っていないことが多く、展示場もないことが多いです。 ネットの情報だけではなかなか把握することが難しく、実際に会って話をしたり、実例の見学会に参加したりと、その設計事務所のことを知るだけでもかなりの労力と時間を費やすこととなります。
建売住宅
建売住宅は、すでに建築された新築住宅です。
注文住宅やセミオーダー住宅のハウスメーカーと違い、すでに完成しているものを確認して購入することができることが最も大きなメリットで、比較的コストを抑えられる方法です。
ただし、購入後に間取りや内装を自分好みに変えるには割高になりがちです。
注文住宅のメリットとデメリット
完全オーダーの注文住宅は、メリットとデメリットが隣り合わせとなる事が多く、依頼する施主の考え方によって変わってくることが多いと考えられます。
コスト面でのメリット、デメリット
完全オーダーの注文住宅の場合は、お住まいの地域特性を考慮して、断熱性や気密性、耐震性などお金をかけるところを自由に決められるところが、大きなメリットです。
もちろん、最近のセミオーダー住宅は、もともとが耐震性や省エネ性を重視して設計されています。「エアコン一台で住宅丸ごと温められる」など、十分な性能を持つ建物であることが多いです。
デメリットとしては、こだわりを詰め込んだ完全オーダーの注文住宅は、コスト的に高くなる傾向があることです。全て自由に設定できる反面、上限はありません。
また、キッチンやお風呂等の住宅設備や、収納棚や洗面台等の既製品についても割高になる傾向があります。ハウスメーカーのように全国一律で大量の設備を購入していれば、設備メーカーとの価格交渉力が発揮できますが、気に入った製品を個別に選定して導入する場合は価格交渉力に限度があるからです。
時間的なメリット、デメリット
建売住宅は、すでに完成しているので、購入すればすぐに住むことができます。また、セミオーダーのハウスメーカーも、会社都合の工期があります。指定された期日に応じれば割引してくれるなどの特典があることもあります。また、在来工法に比べ早く建設されます。
完全オーダーの注文住宅の場合は、全て自由で、設計段階も住まい手自身が納得できなければ、いくらでも待ってくれます。時間を気にせず進めることができることが時間においては最大のメリットかもしれません。
ただし、設計事務所は時間が経費となりますので、時間がかかればかかるほど経費もかかります。
建てる時期によって、ローン金利や補助金等の内容も変わりますので、時間を自由にコントロールできる注文住宅ですが、それらの経費も考慮し慎重に決める必要があります。
建設時も、一品生産物ですので比較的建設工期は長くなります。
アフターフォローのメリット、デメリット
アフターフォローは、ハウスメーカーであれば任せっきりで問題ないことが多いですが、完全オーダーの注文住宅の場合は違います。その設計事務所の担当や工務店の担当による所が大きく、自身も積極的に関わる必要があるかもしれません。
住宅は、何十年もメンテナンスしていきながら、一生付き合っていくものです。
アフターフォローを楽に任せておくことができないのがデメリットですが、メンテナンスが必要な部分を設計者と一緒に勉強し、メンテナンスにより建物を熟成させていくことができるのは、完全オーダーの注文住宅のメリットといえます。
注文住宅後悔しないために
完全オーダーの注文住宅は、セミオーダー住宅や建売住宅に比べ、格段に勉強する労力と時間が必要です。それらを怠ると、イメージと違う建物ができ上がったり住んでから思ってもみなかったメンテナンスが必要になったり、後悔することとなります。
後悔をしないためには、何に気をつければよいのでしょうか。
後悔しないための設計事務所選び
建物は見た目の美しさも重要ですが、耐久性、耐震性、断熱性、経済性等の総合的な判断が必要となります。
最初は、自分好みのデザインができる設計事務所を探されるかと思いますが、見た目だけでなく、性能面や経済性等の総合的判断の上で、建築を提案しているかを確認しておく必要があります。
デザイン重視で進めると、あとで耐久性や経済性に難が分かれば後悔することになります。建物ができてから後悔することになれば取返しがつかないため、設計段階でそれらを十分に検討する必要があります。
全てを設計者や工務店に任せるのではなく、自身も勉強して建物づくりに加わり、共に建築を作り上げることが、いい建物を実現させることに繋がります。
建物性能
建物性能について考えるときは、ネットの信憑性の低い情報に惑わされず、正しい情報を理解し、技術的に解決していく必要があります。
例えば、耐久性面では、建物の外装材や内装材は、どの程度でどのように経年変化していくかを考えます。経年変化した場合にどのようなメンテナンスが必要となるか、経年変化を楽しめる材質であるか、それらを理解しておくことで将来のメンテナンス費が大きく変わってきます。
断熱性では、その地の環境(温暖地、寒冷地、偏西風の様子など)により設定方法が違います。また、住む方の冷暖房の好みもあるでしょう。エアコンが苦手な方とそうでない方とでは、断熱方法や結露防止手法も変わってきます。
それら建物性能はコストに直結することです。過度なスペックとなっていないか確認が必要です。 自由に微調整できることも完全オーダーの注文住宅のメリットではありますが、勉強せずに任せっきりにしないことが、後悔しないためのコツともなります。
総合的なコストコントロール
ハウスメーカーに依頼すれば、建築費からカーテンや家具、ローンや税金等、建物に住むまでの全てをコストコントロールしてくれます。
しかし、設計事務所や工務店の多くは、建築費以外は自身で手配する必要があります。コスト面で後悔しないために、もし設計事務所などが専門としていないことで不安がある場合は、ファイナンシャルプランナーや銀行の窓口に相談すると良いでしょう。